現在自己所有のスマホは4台ある。常用はGalaxy S10+で、それ以外にAndroid機としてAQUOS wish2 SH-51C(Type-C)、arrows NX F-01J(Micro-B)、iOS機としてiPhone 6s(Lightning)がある。おもに寝かせSIMが入れてあったりして、回線維持のためだったり、複数アカウントを持つために持っている。普段は電源を入れていないので充電する機会はほぼないが、いざというときはType-Cの環境にしているのでMicro-BやLightningの充電ケーブルを用意するのが面倒である。
そんな中でおもしろいケーブルをAliExpressで見つけた。670円(送料込)ながら、入力Type-CをType-C、Micro-B、Lightningの3つに分岐させて充電できる。これだけならよくあるものだが、なんとUSB PD(Power Delivery)にも対応しているという。さらに100Wやデータ転送(C-Cのみ)もできる夢のような3in1ケーブルなのだ。
これ1本あればType-C充電環境で、予備機3台の充電が一度にできてしまう。早速取り寄せてチェックをしてみた。
長さは1.2メートルある。ナイロン製の被覆なので丈夫そうだ。真ん中の分岐部分が大きく、ここに色々秘密が入っているのあろう。
■Lightning
Appleの端子から調べてみる。USBケーブルチェッカーによるとVBUS(LightningではPWR)とGNDが配線されている。またデータ線が配線されているように見えるが、Lightningでは2ラインのデータ線があり、この点灯では別ラインのD+/D-のためデータ転送は行えない。
■Micro-B
すっかり影の薄くなったコネクタである。VBUS/GNDのみで完全に充電専用になっている。
■Type-C
CC1/CC2とも点灯しているためeMarker搭載なのがわかる。データ通信もできるようだ。実際にPCにつないで認識をした。
続いてあろえ製チェッカーで調べてみる。eMarkerは検知するが、VBUSが一瞬点灯して消えてしまう。しかし実際にはPD充電ができてしまう。このような想定外のケーブルには対応できないようだ。
ではeMarkerの情報を読んでみよう。なんと、100Wどころか50V5A可と通知するのでEPR 240Wまで流れる恐ろしい偽証チップが搭載されている。IN/OUTどちらにも同じeMarkerが入っていた。
それでは充電を行ってみよう。確認のためソース側のINにテスターKM0003Cを取り付けた。以後それぞれ、C,B,Lと表記する。3台それぞれ別々に挿す場合はそれぞれ充電される。Cの場合のみPD通信が行われる。Cを先につなげてPD状態で20Vが供給されていてもB,Lを挿してそちらには5Vが給電される。Cにリセットは起こらない。
B,Lを先に挿して5V通常給電がされている状態で、Cを挿すと一度全体がリセットで供給停止になりPD通信確立後に3台とも給電される。
なかなかおもしろいケーブルであった。国内では売っていないのかと調べるとRoiCielというブランドを付けて2,000円近くで販売している業者があった。