新種発見!!テスタっち
3月末に発売のタッチパネル式USBテスターを紹介した。そこから3ヶ月も経たないうちに新製品が登場していたから驚いた。

最初はブルー色を増やしただけかと思ったらそうではなかった。なんと画面からeMarkerという文字が読み取れたのだ。中国語は不明なれどこれはわかる。つまり、あのT3がいよいよ他のUSBテスタージャンルに殴り込みをかけてきたということだ。

初代が発売当初93元(今は89元)なのに対して、新機種は100元とあまり変わらない。ストア、タオバオの割引も入れるとさらに安くなる。今後あえて初代を購入する人は少ないだろう。
セット内容

画面保護のシールがなくなり(量産品にはあるか?)、代わりに液晶パネルを拭くと思われる生地が入っていた。取扱説明書はT3のもので、T3Pについては触れられていない。スポンジに謎の切込みが入っている。小型タッチペンでも付けるつもりだろうか。まさか、ALIENTEK C2のようにケルビンオプションを出すわけでもあるまい。

筐体はまったく変わらない。青のカラーバリエーションが増えたと言われれば気が付かない。
内部構造
外観が変わらないなら中を見るしかない。前作に続き今回も簡単に開く。あっけないぐらいに開く。ひょっとしてポロリと落としたらパカッと開くのではないかと思うぐらい篏合が甘い。
実はぱっと見はわからないかもしれない。前作と並べてみないと大きな違いはわからない。事前に、メーカーにはファームウェアの書き換えでプロトコル対応できるのかと聞いた。答えはチップが増えているので無理というものだった。確かに表裏で内容に変化が見られる。

MCUは初代と変わっていない。余力のあるMCUなので変える必要はないのだろう。それにしてもちょっと基板がおかしい。かなり汚いのだ。これが量産品か?と思わせるレベルだ。

裏面はどうだろう。やはり汚い。はんだフラックスの残骸が至るところに残っている。

そして極めつけはこれだ。量産基板でこんな手作り満載のものはないだろう。TVSダイオードのようなものがジャンパを飛ばして付けられている。これはおかしい。
ミステリーその1
タオバオは購入数カウンタが付いているので自分が何番目に買ったか大体わかる。今回はおそらく2番目か3番目だったと思う。それが7個売れた時点で突然売り切れになった。販売期間は1週間もなかったと思う。当然気になるのはALIENTEK C2のように不具合が見つかったのかということ。メーカーに聞くと、単に売り切れだ、生産中と回答があった。そして到着したのがこの基板だ。これは完全にプロトタイプをテスト販売したということか。それに付き合わされてしまった。USBガジェットに関しては、TREEDIXに続き、初物にうまいものなしのジンクスは活きている。

もう一度基板表面を見ておこう。こんな仕上がりになっている。まぁ、同じように動けばいいんだが、なんか釈然としない。
新メニュー
気を取り直して新機能を見て行こう。今回は今までの横スクロール2画面に対して2画面追加されている。
- 電力系
- 充電プロトコル(新)
- エンタメ系
- 設定(移動)
従来のメニューは変わりがないので今回は省略する。

設定は今まで画面1の最下位にあったものを独立させた。またファームウェアバージョンとシリアルが設定下段に表示されていたのは画面2のAboutに移された。

ここで違和感に気が付く。新設の画面2でメニューに関して縦スクロールがない。今までメニューの切り替えは縦スクロールで統一していたユーザインターフェイスが、新規で増えたプロトコル画面に関しては採用されていない。
プロトコル検出

4分割されたメニューから選択するのがわかる。縦スクロールでなぜ統一しなかったのだろう。これはPD 3.1充電器に直接接続している状態になる。初代ファームウェアではAFCが3連発で表示されてしまっている。
本機は仮想eMarkerを持たないので100W超の検出がダイレクトにはできない。このように必ず実ケーブルが必要になる。将来的に他社と合わせてくるのかどうか見守りたい。

なお、プラグとレセプタクル両方で5.1kΩプルダウン抵抗は検出する。ボタン押しによる付加にはしていない。なのに、充電器に挿しても電源が入らないのはなぜだろう。

いくつかの充電器ではうまくプロトコルが検出できないと公式チャットに送ったらV.3.0.2(出荷時はV.3.0.1)を送ってくれた。ダウンロードリンクは不明だ。
Anker Zolo 140Wも見ておこう。検出結果の明細はタップしても見せてくれない。PDOを見たい場合は次のトリガーメニューに移らなければならないのは不便だろ。
まだPD 3.2には対応していないので、60W充電器なのにPPSとして変な数字を引いてしまっている。
トリガー

非常にKM003Cに寄せてきている。残念ながら今のところまともに動くのはPDのみで、それ以外はあやしい。これも今後のバージョンアップに期待しよう。
先ほどのAnkerはPDに関して問題ないが、それ以外はまったく未完成だった。表示されないか、フリーズして再起動になる。
eMarker

挿せばすぐに認識する。ケーブルの裏表問題はあるので、うまく読めないときはいったん裏返してみるのがよい。ベンダー名は表示されない。
ミステリーその2

プロトコル検出中に困ったことが起きた。検出が終わらずフリーズしてリブートの繰り返し、無限ループに入ってしまった。V.3.0.2ファームでテストしているので公式チャットに状況を伝えるがどうも話がかみ合わない。動画を送っているのに理解されない。
本機は電源を切っても最後の状態をレジュームするので、プロトコル検出から抜けられない。こうなるとよくもあり悪くもありだ。V.3.0.2改の初期状態起動ファームを送ってもらってようやくループを脱出、その後V.3.0.2に戻した。

問題が起きてもすぐに対応してくれるメーカー姿勢はすばらしい。KOWSIがKWS-X1で問題が起きるとファクトリーリセット以外に手段がないのに公式でV.1.0.5を配布しないのと比べると雲泥の差だろう。
ファームウェア

本機はフリーズしても左ボタンを押しながら電源を入れるとHIDモードには入るから助かる。あとはT3P用のPCソフトでファームウェアがあればアップデートできる。今のところT3のようにメーカーページにはファームウェアがアップされていないようだ。今回提供されたV3.0.2の2種を置いておくので入手した人は利用されたい。
メーカーのサポートサイトも時々チェックするといいだろ。今はPC用とAndroid用のアプリが提供されている。ただ、スマホ版はまだ未完成のようだ。
雑感
短期間でよく作り込んできていると思う。プロトコル検出ができてeMarkerが読めるUSBテスターなら需要はさらに増すだろう。なんと言ってもスマホに慣れ切った我々にはタッチによる直感的な操作は必須である。このUIを採用したUSBテスターが増えていくことを期待する。その先進的なUSBテスターに触れられたのは幸いだった。今後のバージョンアップでどこまで進化するか、将来への先行投資を行った。