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ALIENTEKのケルビン式抵抗測定器OA1をレビューする

謎のスペース

ALIENTEK C2の初号機がすぐ発売中止になった際、2号機を受領して違和感があった。テスターの外見は変わっていないものの、内装に謎のスペースが現れた。これはなんだと色めき立ち様々な推測が飛び交った。その後に登場した廉価版テスターC0はサイズが合わなかった。シンデレラが履いたガラスの靴のように王子さまは収まるべきモノを探し続けた。

途中でALIENTEKはそれがケルビン式のオプションと明かしたので、このサイズに収まるものを想像したりして待ち続けた。

筆者がredditにこんな投稿をしていたのは2月末だった。

サイズ的に小型セメント抵抗を備えたものを推測していたが、想像のはるか上をいく製品だった。マイコンを搭載して単体で動作するオプションに仕上げてきた。それゆえパソコンでも動作する。今のところスマホ用のアプリは提供されていない。

それを初回は1,000円で提供してきた。USBテスターC2/C0とのセット販売も開始している。

取扱説明書

とくに説明書を必要とする製品ではないが、機械翻訳したものを掲載しておく。

製品外観

WITRN,RYKENのケルビンオプションと同様にケースには収まっていない。基板提供なのはコストを抑えるためと思われる。MCUにはPuya SemiconductorのPY32F071K1BU7が使われている。72MHz駆動、32KBフラッシュ、4KB SRAMはガジェットとして最下位層に位置する。ケルビン計測と他デバイスとの通信という用途だけなら十分なのだろう。

C2を持っている人は単品を購入して収納するのがいいだろう。ケルビンオプションでこれができるのはALIENTEKのみだ。

AIによる製品説明

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ATORCH T3改め充電プロトコル対応のT3Pが早くも登場!

新種発見!!テスタっち

3月末に発売のタッチパネル式USBテスターを紹介した。そこから3ヶ月も経たないうちに新製品が登場していたから驚いた。

最初はブルー色を増やしただけかと思ったらそうではなかった。なんと画面からeMarkerという文字が読み取れたのだ。中国語は不明なれどこれはわかる。つまり、あのT3がいよいよ他のUSBテスタージャンルに殴り込みをかけてきたということだ。

初代が発売当初93元(今は89元)なのに対して、新機種は100元とあまり変わらない。ストア、タオバオの割引も入れるとさらに安くなる。今後あえて初代を購入する人は少ないだろう。

セット内容

画面保護のシールがなくなり(量産品にはあるか?)、代わりに液晶パネルを拭くと思われる生地が入っていた。取扱説明書はT3のもので、T3Pについては触れられていない。スポンジに謎の切込みが入っている。小型タッチペンでも付けるつもりだろうか。まさか、ALIENTEK C2のようにケルビンオプションを出すわけでもあるまい。

筐体はまったく変わらない。青のカラーバリエーションが増えたと言われれば気が付かない。

内部構造

外観が変わらないなら中を見るしかない。前作に続き今回も簡単に開く。あっけないぐらいに開く。ひょっとしてポロリと落としたらパカッと開くのではないかと思うぐらい篏合が甘い。

実はぱっと見はわからないかもしれない。前作と並べてみないと大きな違いはわからない。事前に、メーカーにはファームウェアの書き換えでプロトコル対応できるのかと聞いた。答えはチップが増えているので無理というものだった。確かに表裏で内容に変化が見られる。

MCUは初代と変わっていない。余力のあるMCUなので変える必要はないのだろう。それにしてもちょっと基板がおかしい。かなり汚いのだ。これが量産品か?と思わせるレベルだ。

裏面はどうだろう。やはり汚い。はんだフラックスの残骸が至るところに残っている。

そして極めつけはこれだ。量産基板でこんな手作り満載のものはないだろう。TVSダイオードのようなものがジャンパを飛ばして付けられている。これはおかしい。

ミステリーその1

タオバオは購入数カウンタが付いているので自分が何番目に買ったか大体わかる。今回はおそらく2番目か3番目だったと思う。それが7個売れた時点で突然売り切れになった。販売期間は1週間もなかったと思う。当然気になるのはALIENTEK C2のように不具合が見つかったのかということ。メーカーに聞くと、単に売り切れだ、生産中と回答があった。そして到着したのがこの基板だ。これは完全にプロトタイプをテスト販売したということか。それに付き合わされてしまった。USBガジェットに関しては、TREEDIXに続き、初物にうまいものなしのジンクスは活きている。

もう一度基板表面を見ておこう。こんな仕上がりになっている。まぁ、同じように動けばいいんだが、なんか釈然としない。

新メニュー

気を取り直して新機能を見て行こう。今回は今までの横スクロール2画面に対して2画面追加されている。

  1. 電力系
  2. 充電プロトコル(新)
  3. エンタメ系
  4. 設定(移動)

従来のメニューは変わりがないので今回は省略する。

設定は今まで画面1の最下位にあったものを独立させた。またファームウェアバージョンとシリアルが設定下段に表示されていたのは画面2のAboutに移された。

ここで違和感に気が付く。新設の画面2でメニューに関して縦スクロールがない。今までメニューの切り替えは縦スクロールで統一していたユーザインターフェイスが、新規で増えたプロトコル画面に関しては採用されていない。

プロトコル検出

4分割されたメニューから選択するのがわかる。縦スクロールでなぜ統一しなかったのだろう。これはPD 3.1充電器に直接接続している状態になる。初代ファームウェアではAFCが3連発で表示されてしまっている。

本機は仮想eMarkerを持たないので100W超の検出がダイレクトにはできない。このように必ず実ケーブルが必要になる。将来的に他社と合わせてくるのかどうか見守りたい。

なお、プラグとレセプタクル両方で5.1kΩプルダウン抵抗は検出する。ボタン押しによる付加にはしていない。なのに、充電器に挿しても電源が入らないのはなぜだろう。

いくつかの充電器ではうまくプロトコルが検出できないと公式チャットに送ったらV.3.0.2(出荷時はV.3.0.1)を送ってくれた。ダウンロードリンクは不明だ。

Anker Zolo 140Wも見ておこう。検出結果の明細はタップしても見せてくれない。PDOを見たい場合は次のトリガーメニューに移らなければならないのは不便だろ。

まだPD 3.2には対応していないので、60W充電器なのにPPSとして変な数字を引いてしまっている。

トリガー

非常にKM003Cに寄せてきている。残念ながら今のところまともに動くのはPDのみで、それ以外はあやしい。これも今後のバージョンアップに期待しよう。

先ほどのAnkerはPDに関して問題ないが、それ以外はまったく未完成だった。表示されないか、フリーズして再起動になる。

eMarker

挿せばすぐに認識する。ケーブルの裏表問題はあるので、うまく読めないときはいったん裏返してみるのがよい。ベンダー名は表示されない。
ミステリーその2

プロトコル検出中に困ったことが起きた。検出が終わらずフリーズしてリブートの繰り返し、無限ループに入ってしまった。V.3.0.2ファームでテストしているので公式チャットに状況を伝えるがどうも話がかみ合わない。動画を送っているのに理解されない。
本機は電源を切っても最後の状態をレジュームするので、プロトコル検出から抜けられない。こうなるとよくもあり悪くもありだ。V.3.0.2改の初期状態起動ファームを送ってもらってようやくループを脱出、その後V.3.0.2に戻した。

問題が起きてもすぐに対応してくれるメーカー姿勢はすばらしい。KOWSIがKWS-X1で問題が起きるとファクトリーリセット以外に手段がないのに公式でV.1.0.5を配布しないのと比べると雲泥の差だろう。

ファームウェア

本機はフリーズしても左ボタンを押しながら電源を入れるとHIDモードには入るから助かる。あとはT3P用のPCソフトでファームウェアがあればアップデートできる。今のところT3のようにメーカーページにはファームウェアがアップされていないようだ。今回提供されたV3.0.2の2種を置いておくので入手した人は利用されたい。

メーカーのサポートサイトも時々チェックするといいだろ。今はPC用とAndroid用のアプリが提供されている。ただ、スマホ版はまだ未完成のようだ。

雑感

短期間でよく作り込んできていると思う。プロトコル検出ができてeMarkerが読めるUSBテスターなら需要はさらに増すだろう。なんと言ってもスマホに慣れ切った我々にはタッチによる直感的な操作は必須である。このUIを採用したUSBテスターが増えていくことを期待する。その先進的なUSBテスターに触れられたのは幸いだった。今後のバージョンアップでどこまで進化するか、将来への先行投資を行った。

USBガジェットをMCUで比較する

MCUから見る特性

USBテスターやチェッカーを多数所有するものの、今まで頭脳部分で考えたことはなかった。PCではintel入ってるとかCMされてもUSBテスターではそこをアピールすることが少なかった。

改めて比較をしてみると、そこにはメーカーや作者のポリシー・開発スタイルが垣間見れるのだった。

USBテスターとチェッカーMCU一覧

USB TESTER MCU external
SPI Flash
(MB)
SWD PAD
MAKER MODEL MAKER MODEL frequency
(MHz)
Flash
(KB)
SRAM
(KB)
WITRN C5 ARTERY AT32F403ACGT7 240 1024 96+128    
WITRN K2 ARTERY AT32F403ACGT7 240 1024 96+128    
WITRN U3 ARTERY AT32F403ACGT7 240 1024 96+128  
WITRN CC1 WCH CH32X035F8U6 48 64 20    
ALIENTEK C0 ARTERY AT32F415KBU7-4 150 128 32    
ALIENTEK C2 XHSC HC32F460JEUA 200 512 192  
ALIENTEK UT70 Nations N32G4FRKEQ7 144 512 144  
ATORCH T3/T3P JieLi Tech AC7076A6 288 2048 284    
FNIRSI FNB58 ARTERY AT32F403ACGT7 240 1024 96+128 16
FNIRSI FNB-C2 ARTERY AT32F403ACGU7 240 1024 96+128 8
KOWSI KWS-X1 XHSC HC32F460JEUA 200 512 192    
ChargerLAB POWER-Z KM003C XHSC HC32F460JEUA 200 512 192  
RYKEN RK-X3 ARTERY AT32F403ACGU7 240 1024 96+128  
RYKEN RK-X3SE WCH CH32L103K8U6 96 64 20    
KYKJGS KYK-88 ARTERY AT32F403ACGT7 240 1024 96+128 16
LYTECH I8 ARTERY AT32F403ACGU7 240 1024 96+128    
BitTradeOne USB CABLE CHECKER 3 STMicroelectronics STM32G071 64 128 36  
BitTradeOne USB CABLE CHECKER 2 Microchip(Atmel) ATmega88PA 20 8 1    
TREEDIX USB Cable Tester STCmicro STC8H8K64U 45 64 8 4
ALIENTEK OA1 Puya Semiconductor PY32F071K1BU7 72 32 4  

MCUの主流

ほとんどがARM Cortex-Mを採用したMCU(Microcontroller Unit)を使っている。さらにFNB58/KYK-88では外付けでSPI(Serial Peripheral Interface)フラッシュメモリを搭載している。本体ROMの16倍ものメモリを有する贅沢設計はFNIRSI以外に見当たらない。

各社ローコストモデルではMCUのグレードも下げているのがわかる。驚いたのは一時期ワンコインテスターとして人気を集め、今も千円台で買えるKWS-X1がUSBテスター界の王者KM003Cと同じ石を使っていた。販売の価格差は約10倍だ。

ガジェットの読取りにチャレンジ

ごていねいにいくつかのテスターではメンテナンス用にSWD(Serial Wire Debug)パッドを用意してくれている。もっともすべてのMCUにはRDP(Readout Protection)機能があるので、読出し禁止にされている可能性がある。その場合でもチップを全消去して保護を解除することはできる。ただし、書き戻すデータがないと脳死状態のガジェットができあがる。

MCUやSPIフラッシュを読むとか無縁の世界にいた。どれぐらいの率で読出しにプロテクトをかけているのか知りたくなった。フラッシュはプロテクトがないので必ず読める。FNB58は16MBを何に使っているのか知りたくなった。

ツールの調達

MCUとフラッシュメモリさえ読み出せればいい。といっても各ツール、リードライトは一体となっている。価格はいずれもAliExpress割引後の実購入価格を表示している。

ST-LINK,AT-LINK,WCH-LINK,HC-LINKなどMCUメーカーの分だけツールが出ている。そして純正ツールは高い。J-LinkはドイツSEGGER社のツールでこれもそれなりの価格なれど、互換ツールが安く多種出回っていて今回はそれを試してみることにする。

180円

購入したものは半透明の熱収縮チューブに覆われていたため取り除いた。そのようなスキンはいらない。

互換基板なれどSEGGERのツールで動作する。さすがにファームウェアの書き換えまではさせてくれないが必要なことは公式ツールで行える。

320円

SWD接続は4線あれば事足りるので助かる。J-LINK OBには読取り器具が付いていないので別途用意することになる。ポゴピンというものの4ピンタイプを購入した。ガジェット基板によってはメンテナンス用にこの4ピンパッドが用意されている。この洗濯ばさみではさめない場合は、はさみの上部を取り外して押し当てる必要があるだろう。KYK-88はなんとかギリギリはさめた。

320円

さらにSWDパッドがない場合は、このようなMCUピンから直接取り出すツールも必要だろうと購入した。J-LINK本体よりもこちらの方が高くついた。

CH341Bライタ

FNB58に採用されているWinbondはフラッシュメモリとしてよく聞く名前で、パソコン用のBIOSにも使われている。CH341Bライタというものが安かったので調達した。

590円

5Vのモノがあるので注意せよと事前にリサーチしていたが到着するまでわからず、CH341Bの28ピンには3.3Vがかかっていたので安心した。

標準で付いてくる読み取りブローブがまったく役に立たない。基板上のWinbondを直接はさんでデータを取り出そうとするが、100回やって1回成功するかしないか。とにかく読めない。

このようにチップを直接はさんでようやく読める始末だ。

720円

はさんでダメなら押してみなタイプを購入してみるも、これまた基板のものは読取りができない。基板に貼り付いたメモリからデータを読み出すことがこんなに難しいとは思わなかった。レビューを見ているとみんな簡単にできているように書いてある。本当だろうか。

とりあえず総額2,000円程度でグッズを用意した。次回、実際にいくつかのガジェットで読取りテストを行ってみる。保護がかかっていないのがどれぐらいあるだろうか。