中華製格安Type-Cケーブルを購入すると、まれに機器を破損したというレビューを見る。ケーブルで破壊をするというと電源系しか考えられない。いまや、240Wまで流れる可能性のあるケーブルはある意味危険な電源ケーブルなのである。
何度か取り上げている通り、Type-Cの充電器はコールドソケットと言ってケーブルを挿す前のレセプタクルは0Vになっている。C-Cケーブルを挿しても同じで、シンクのCC1/CC2が5.1kΩプルダウンされているか、CCを通じてPD通信なりの急速充電ハンドシェイクを取って初めて通電が開始する。それなりの安全対策は考慮されたケーブルである。
しかし、もし購入したケーブルのVBUSとGND結線がクロスしていたら。充電器にも接続機器にもダメージがあるだろう。逆電圧がかかることを想定していない機器は煙や火を噴くかもしれない。ケーブルに表示機能があるようなものは粗悪なものもあり、手作業で結線している場合は工程ミスで可能性がないわけではない。
そんなケーブルをケーブルチェッカーは検知できるのだろうか。
あえてこのような危険ケーブルを自作した。チェッカー以外に間違って挿さないよう印をつけておいた。
Treedixのケーブルチェッカーは構造上、通電をチェックするだけなので、VBUSが途中切断されていればVBUSが不灯になり断線が判明する。しかし、今回のようにVBUSとGNDがクロスするように配線されている場合はクロスして通電するだけなのでこのように見た目はわからない。CC1が薄めに点灯しているのはこのコネクタに5.1kΩプルダウン抵抗がセッティングされているからである。
あろえUSB CABLE CHECKER 2もやはり検知できない。VBUSとGNDがちゃんと接続されていると判断されている。組み込まれた抵抗は片側で56kΩプルアップと誤判定されてしまっている。
こんなとき頼りになるのは、あやのUSBケーブルチェッカーである。原始的に24ピンのチェックをするだけなので、テスターを使って導通を確認すれば簡単にクロスしていることが判明する。
一番の対策はあやしいメーカーのケーブルをあやしい販売店で買わないことである。