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江戸川の起点上流から東京湾下流まで

江戸川区を渡り歩いて、次なるテーマは区名の由来となっている江戸川について調べることだった。江戸川と水で江戸川競艇場を思い出す人がいるかもしれない。現在は競艇という鉄火場的な名称のイメージがよくないのか、江戸川ボートレース場という。愛称はボートレース江戸川になっている。日本に24あるボートレース場で唯一一級河川を利用している。ただし江戸川ではない。正確には江戸川区中川ボートレース場というべきか。
 
というわけで梅雨のシーズンでもあり、水にまつわるテーマとして江戸川を上流から下流まで旅してみることにした。6月24日(日)は午前中が雨、昼からが晴れという二極化した天気となった。朝早くに出て、江戸川上流からできるだけ河川敷に沿って走り、まったりと下流にまでたどり着くもくろみは出鼻からくじかれた。

江戸川とは

イメージ 1日本第二の長さを誇る利根川水系から分流すること約60kmを経て東京湾に流れ込む。また首都圏の飲み水を支える大動脈となっている。その起点は茨城県にある。千葉県の最北端編で3年前に訪れた関宿城の少し北側に位置する。

江戸川上流

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雨上がりの12時に出発をして国道4号をひたすら北上して五霞(ごか)の道の駅を右に折れてまっすぐ行った先に江戸川の起点がある。
 
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河川敷をひたすら走って茂みをかき分けて川沿いに到達すると、本日一ヶ所めの目的地に到着した。
 
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ボートが2隻あるのは利根川部分、赤線から先が江戸川となる。ここにある水が東京湾に流れ込むのにどれだけの時間がかかるのだろう。なかなか想像しにくい。
 
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上流から下ること700mぐらいで関宿水門(せきやどすいもん)がある。江戸川に流入する水量を調整するために1927年に作られた。錆びた鉄門とコンクリートの劣化がいい味を出してる。と思ったら15年前、土木遺産に選定されていた。
 
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さらにそこから1.4km下ると棒出しという立て看板に出くわす。先ほどの水門ができる前は何千本という丸太を川に打ち込んで水流調整を行っていた。

首都圏外郭放水路

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江戸川を語るときに避けて通れないのがこの地下50mにある放水路である。構造物のほとんどが地下に埋設されているため地表に出ているのはごくわずかになる。その目的は洪水時に近隣河川の溢れる水を地下通路を通じて江戸川に放流して浸水被害を防ごうというものである。普段は水が入っていないため、地下神殿と呼ばれるこの場所は予約をして見学することができるようになっている。7月までは無料だが、8月からはシステムが変わって有料になる。7月2日受付開始だ。なかなか人気の施設なのでわたしは見ることができなかった。
 
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この排水機場が江戸川に流し込む最終地点であり、見学ができる施設である。
 
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龍Q館の説明がしてある。竜宮城をイメージしたネーミングなのだろうか。だとすると出てくるときにお土産はもらってこれない。
 
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入館すると見取り図がある。右に見える4つの円柱がそれぞれの川から溢れる水を取り込むための施設になる。これが流れ流れて、排水機場を通って江戸川に通じている。
 
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稼働実績は16年間で111回となっている。今までで最大に稼働したのはやはり3年前に鬼怒川が決壊したときの「平成27年9月関東・東北豪雨」であり、このときは4日間フル稼働したそうだ。それでも流し込む江戸川はまだ余裕があったという係員の説明だったのでいかに水害に強い川なのかがわかる。
 
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館の中を進んでいくと、建物を作ったときに切削した地層が展示されている。貝殻が見えるだろうか。
 
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最上階に行くと壁一面にサイン色紙が陳列されている。結構有名人が来ているようだ。結婚報道が出たばかりの玉木さんが3年前に訪れていた。
 
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この排水機場の操作室が見れる。最新仮面ライダーでもこの場所が使われている。
 
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改めて外に出て見てみた。ごく一部しか見れないが、水流を制御するための機器がいくつも並んでいた。
 
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地下を掘った際のシールドマシン実物が展示されていた。この直径12mの面盤が回転して掘削していった。
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下流に向かう前にもうひとつだけ寄っておきたかったのが、江戸川を統べる江戸川河川事務所だ。日曜日なので当然閉館していた。この時点で15時を過ぎていた。急ぎ下流に向かうことにする。

江戸川下流

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江戸川下流は、今の江戸川と旧江戸川が分離しているため2つある。今回は江戸川の下流に限定した。旧江戸川は東京ディズニーランドの横を通っている。
 
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江戸川最下流の左岸右岸それぞれから見てみた。残念ながらどちらからも間近まで行くことはできなかった。矢印の先が江戸川と東京湾の分岐点になる。
 
秋元康作曲「川の流れのように」は江戸川ではなくニューヨークのイースト川をイメージして作ったそうだ。奇しくもこの日は1989年6月24日に没した美空ひばり29回目の命日であった。