欲するがままにUSBテスターを揃えていたら6機種にもなってしまった。Type-Cを標準にして、通電の経路に置けるものから、ケーブルを使って中継させるものまで。兼ねてより気になっていたのが、USBテスター内でType-C⇔Type-Cがどのように配線されているか。Type-Cのもつ全24ピンをパススルーさせているとアピールするものもあり、本当かどうか確認してみた。
事前準備
コネクタおよびレセプタクルから信号を取り出すためにこのような基板を用意した。これは完全に24ピン+シールドをセパレートで引き出すもので、オスメスで1セットになっているため、これが2個あればすべての測定ができる。アリエクで450円だった。
POWER-Z KM003C
一番のお気に入りである。後発のものを入れても今のところこのテスター以上のものには出会っていない。
急速充電プロトコルを調べるときにコネクタを直接充電器に挿したくなるが、メーカー推奨はケーブルを使って充電器とKM003Cレセプタクルに挿す方式である。ただ、PDパケットを読んだり、通電中の充電プロトコルを検出するには経路に置くしかない。この検出の精度が一番高いのはKM003Cである。
WITRN C5
一番最近購入したもので、メーカーは全24ピンパススルーを売りにしている。テスター内部で24ピンがすべてセパレートでつながっているように錯覚するが当然そんなことはない。
少なくとも4本ずつあるVBUS、GNDはプラグ内で接続されている。KM003Cとの違いは、コネクタ側のデータ線両面サポートとシールドが接続されていること。
FINIRSI FNB58
今回の6機種では最古参のテスターになる。それ以前のFNBシリーズはすべて処分してしまって今手元にあるのはこれだけである。
ちょっと困ったのがデータ線の導通が未通電では確認できなかったこと。基板に通電させて初めてデータ線の導通確認ができた。
ALIENTEK UT70
ここからはフル配線でなくなる。約3千円という低価格テスターながらかなり頑張って作っている。
ここでは取り上げないが、FNB58と同様にType-A(3.0)の7番ピンをサポートする。Type-Cは電力系のみのサポートになるが十分だろう。
ATORCH CC085
千円テスターで高電圧高電流に耐えるという。
スケルトンになっているので配線が6本なのが見える。この価格なら十分ありだろう。
ATORCH C13P
なんちゃってKM003Cで、中身は似ても非なる製品だった。史上最凶のテスターであった。
千円テスターにも負ける結線である。とくにCCラインが片側しかなく、さらにその導通も非常に不安定でまともにPD通信ができない。実際、スマホの充電経路にはさむと表裏を気にしないといけないのはもちろん、認識してもスマホから警告が出たりした。