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格安USBテスターFNB58をレビューする

前回FNB48を紹介してからFNB58という後継機が出ていることを知った。今年9~10月ぐらいに出たらしい。基板むき出しのFNB48にケースを付けたぐらいに思ってスルーしていたが、11月11日の独身の日セールがいつもの中華サイトで始まったので思わず購入してしまった。

 

■2機種の相違点

機種 FNB58 FNB48
サイズ 70×43×13mm 61×38×14mm
重さ 43.1g(BTなし) 29.2g(BTなし)
画面サイズ 2.0インチ 1.77インチ
解像度 320×240ドット 160×128ドット
入力端子 USB-A、5ピン オス USB-A、9ピン オス
出力端子 USB-A、5ピン メス USB-A、9ピン メス
対応電圧 4~28V 3.8~24V
対応電流 0~7A 0~6.5A
PDトリガー PD2.0/3.0/3.1 (MI) PD2.0/3.0
表示桁数 6桁 5/6桁
高速リップル表示 50k→4M Sa/s 50k→3.2M Sa/s
高速リップルバンド幅 ? 320kHz

 

今回もBluetoothなしバージョンなので、セール価格は約4,400円だった。11月2日朝注文して11月9日に到着した。

 

FNB58はBTのありなしで外観色が違う。パッケージの裏に、星輝藍とあるのがBTありで、星空黒となっているのがBTなしだ。

 

YK-LABベースの姉妹機に共通な缶ケース入りではなかった。型抜きされたスペースに収まっているだけで説明書も何もない。前回と同様、英文取説和訳したものを入れておくので参考にされたい。

 

まずは外観からチェックしていこう。側面4辺はFNB48と同じレイアウトになっている。唯一違うのはTYPE-Aが9ピンから5ピンになった。FNB48がUSB3.0用に追加された5ピンすべて端子があったのに、FNB58は5ピンのうちの中央のGNDのみアサインされたので、USB2.0の4ピン+USB3.0の1ピンという変則になっている。アサインされなかった4ピンはデータ送受信用端子なのでそもそも充電テスターには必要ないということだろう。

 

では分解していこう。中身を見たいのもあるし、前回と同様コネクタやスイッチをエポキシ樹脂で固着させるためだ。裏側にはT6のトルクスネジが使われていた。

 

こういった専用ドライバーが必要になる。

 

裏側の4本ネジを外すとTYPE-Aオス側のフタを抜いてやる。ネジを外した穴につまようじの先を挿して中のプラを押してやるとすき間ができやすい。

 

続いて、規格を記した銘板が押さえになっているので外す。3か所ツメがあるので、強力なテープを貼って持ち上げてツメがない角を浮かせて爪を入れて攻略するのがいい。無理やりドライバーを挿し込んだりする力技はフタの周辺がでこぼこになるので避けよう。

 

ここまでできると、TYPE-Aオスを押してやるとスルっと殻が抜ける。ケース素材はアルミだと思われる。

 

液晶側を表にして、両面テープで付いているスポンジを外し、2本のネジを外す。

 

あとはガードのプラケースを外すだけだが、スイッチが上下にあるので多機能スイッチ側のプラを少し開いてスイッチを抜くとうまく外せる。BTありはこのプラケース側にBTモジュールがレイアウトされている。これで分解は完了になる。

 

基板を見るとCPU、クロック、メモリともFNB48と同じだった。

 

液晶側は何もなかった。液晶デバイスは非常に新しいものだった。BL-200H01Aでは解像度を調べることができなかった。画面比率4:3で2インチ、結構な高精細であることはわかる。

 

分解の目的であったコネクタ、スイッチの樹脂固めを施して元に戻した。とくに今回PD通信スイッチがケースの関係で長くなっているのでより負荷がかかってゆるみやすいと思うので対策は必要だ。

 

購入時のファームウェアバージョンは0.40だった。更新状況は以下の通り、さすがに新しいだけあって更新頻度が多い。

 

V0.65 2022-10-27
1- Fix the automatic detection problem
2- Add automatic detection QC4/QC4+/QC5

V0.63  2022-10-16
1- Compatible with other Xiaomi charging heads
2- PD triggering added power display

V0.60  2022-10-07
1- Added support for PD3.1 triggering
2- Added support for Xiaomi A port PD charging head triggering
3- Fixed PD/PPS restart issue
4- Fixed other issues

V0.50  2022-9-06
1- Fixed PD/PPS restart issue
2- Fixed some small issues

 

執筆時点の最新版にした。

 

PD3.1/EPRとなっている。PD3.1は240Wまで拡張された代わりに240W(EPR)ケーブルを必要としているので、そこもトリガーするための仕組みを持たせてあるということだろう。E-Markerに加えてEPRを有効にするための設定があるようなので、本機のE-Markerチップ読み取りがそこまで対応できているかどうかは不明だ。

 

では画面遷移を見ていこう。もっとも標準的な電圧・電流・電力表示で、よく見るとカラーバーがフルレンジに対して今どれぐらいの数値なのかが色の濃淡でわかるようにされている。本機が28V、7A、120Wとなっているのでそこを上限としているのだろうが、それぞれのバーの右側に小さく28Vなどと書いてないとスケールがわかりにくい。ここは改善が望まれる。理解しにくいのは28V×7Aなら196Wのはずなのになぜ120Wなのだろう。ただ、このスケールから読み取れる最大電力は170Wになっている。

 

2画面目はやや詳細表示になっている。やはり高精細になっているのでFNB48より小さい文字が見やすい。

 

3画面目は波形表示で、多機能スイッチの中央ボタン長押しで切り替えることができる。

 

最後の画面がこのアプリケーションメニューで、利用頻度の少ない機能はこの中に詰め込まれた。細かい機能は取扱説明書をご覧いただきたい。

 

将来的には240W対応テスターが必要になってくるとすると、50V、7Aぐらいに対応したFNB68テスターが登場するだろう。現在でもKM003C(POWER-Z)が50V、6A対応で1万円ぐらいで出ている。さて、FNB48は売りに出すとするか。