スマホやパソコンが増えてくると比例して充電器も家じゅうにあふれることになる。今まではそれぞれ機種ごとのアダプタが必要だったが、現在はType-Cというコネクタが主流となり、充電規格もほぼUSB PD(Power Delivery)一択になってきた。
出力は10W(5V/2A)~240W(48V/5A)までと幅広い。PDアダプタの性能や使用中の電流・電圧を調べたりするためにも、ひとつUSBテスターなるものを用意することにした。
機能の少ない廉価版からスマホでもコントロールできるものまで多彩なテスターが登場している。今回は3千円台で購入できる格安の中華USBテスターを購入してみた。
AliExpressで9月1日に発注して9月10日に到着した。送料込みほぼ3千円で調達ができた。F-NIRSIというオシロスコープなどの計測機器を出すメーカーのFNB48という何やら秋元企画のようなものを購入してみた。AVHzY CT-3というものによく似ている。YK-LABをベースにした中ではFNB48が一番安い部類になると思う。
安いためか本体の日本語化に対応していないし、取扱説明書は英語のみだった。PDFをGoogleに投げて機械翻訳したものを一部修正した日本語取扱説明書をアップしておく。自分の覚え用なので翻訳ミスがあって機器に損害が生じた場合も賠償には応じられないのでご注意いただきたい。
このケースや予備ネジが付属するのも姉妹機と同じになる。ただ、届いて驚いたのはFNB48ではなく、FNB48Sというものになっていた。具体的な違いはよくわからない。いかにも中華的ではないか。ファームウェアはV1.00となっている。FNB48Sの最新ファームウェアはV1.00のまま、FNB48はV2.60になっている。ファイルはFNIRSI公式チャネルから確認いただきたい。
2022.10.10追記:10/5にFNB48SのファームウェアV1.10がアップされた。更新方法を末尾に追記しておく。
届いて行うのはまず分解すること。基板を中心に上下からサンドされた構造になっている。
コネクタやスイッチ類が実装されている。
操作は左右と押し込みによる3方向と、それぞれが短押し、長押しを持っているため合計6つのマルチファンクションスイッチになっている。
USB-Aメスは9ピンコネクタになっているのがわかる。
USB-Aオスも奥が写っていないがやはり9ピンだ。
さて、ここで登場するのがエポキシ樹脂接着剤だ。何をするかというと、中華ガジェットの弱点である実装の甘さによるコネクタの脱落や接触不良を防ぐためにコネクタを固着させる。
これが加工を施した基板になる。ARTERYテクノロジーの32ビットARM CPUとwinbondの128Mビットフラッシュメモリが見える。ちょっとしたコンピュータだ。
裏板はBluetoothチップとスイッチが搭載できるようになっていた。元々スマホやPCにつなぐつもりはないので安い方を購入した。
一応、IN/OUTと書かれているが、それぞれの端子は双方向型なのでどちら向きにも信号は流れるようになっている。迷わないようにということで決めてくれてあるのだろう。
では組み立て直して動作確認をしていこう。カラー表示で見やすい液晶になっている。
流れる電流・電圧測定では当たり前すぎるので、やはりテスターを買って最初にやりたいのはどんな充電規格を持っているか調べることだろう。Aliで買ったXiaomiの65W PDから調べてみた。
PPSにも対応しているのが確認できた。
これはAmazonで購入した格安1,200円PDアダプタだ。対応している規格は多い。
TYPE-Aでは当然PD対応していない。
E-Markerチップ入りのケーブルは2本しか持っていない。こちらはUSB 2.0だった。
もう1本はUSB 3.2 Gen2だった。
チップ未搭載のケーブルはずっと検索中になる。
これはあまり利用用途がないかもしれないが、PD規格が実際どのようなやり取りをしているのか見ることができるPDリスナー機能である。
PDパケットを見ることができる。
一応標準的な画面も見ておこう。
おもしろいのはオシロスコープ的な表示ができること。直流の品質を確かめるために高速リップル電圧を表示させるといい。
ひと通り試したらもういいかなとなった。PD COMスイッチのオンオフは自身でよく理解して設定する必要がある。表からわかりにくいため、わたしはオン側に白いマークを付けてみた。それ以外の機能も含めて取扱説明書をよく読んでから利用することをおススメする。最悪、スマホやパソコンを壊してしまう可能性がある。
それほど頻繁に使用するものではないが、一台持っておくと安心できるガジェットだろう。
FNB48Sのファームウェアアップデート
準備
更新
- アップデートツールを解凍して、FNISI_Update.exeを起動する
- ダウンロード済みFnb48sV1.10.ufnをOPENで指定する
- 例外エラーが発生する場合は構わず続行する
- PCに接続したMicro-USBケーブルをFNB48Sのマルチファンクションスイッチ中央ボタンを押し込みながらPC接続ポートに挿し込む
- アップデートツールがConnected(FNB48SはDevice Unknownになる)になったらSTARTを押す
- 約4分ぐらいして書き込みが完了するとFNB48Sは再起動するのでバージョンが1.10になっているのを確認してケーブルを抜く