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普通二輪審査の平成最終月5日間奮闘記

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去年12月に卒業して、葉桜の新緑がまぶしい季節に再入校することになるとは想像していなかった。思いついたらすぐ行動に移さないと、いつでもいいやの後回しになってしまう。自分を奮い立たせて和光市に降り立った。
 
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受付で教習原簿を受け取り、予約してある教習の予約票をプリントして時間までは来月後半に控えるFP3級の学習をすることにした。ここは目の前でバイクの教習風景を眺めながら、FPまで学べてしまうという一石二鳥の場所だ。新年度ということで二輪免許の取得者が多い。それもほとんどが大型だ。どうせ取るならということだろう。若い女性の姿も目に付いた。
 
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教習は4日間とも2時限続きで予約ができている。小型のときよりも予約は取りやすかった。1回目は15:55開始なので、15時過ぎからおもむろに準備を始める。審査のゼッケンは緑になる。第1段階、第2段階のような区分がないため最後まで色は変わらない。この日、緑のゼッケンはわたしを含めて2名だけだった。10名ほどが大型、4名が普通MTで、審査2名は稀有な存在であった。
 
1時限目
審査2名に教官はひとりついた。まず教官からマニュアルの二輪経験を聞かれる。当然ない。もう一人の20代と思われる長身のイケメンさんはあるという。実は果敢にも運転免許試験場の一発合格に賭けてチャレンジ、見事不合格になって通うことにしたそうだ。ATとMTは全然違うだろうに、どこで練習したのだろうか。おそらく誰かのMT二輪を借りて練習したんだろうが、完全に他人が入らない私有地がそうそうあると思えない。それ以外の場所ではもちろん無免許になるので練習ができない。
 
教習車はHONDA CB400であった。直列4気筒エンジンで6速56PSのマシンだ。我がアドレスV125Gが11.4PSなのに比べると約5倍の出力を持つ。6速での最高速度は約170km/hになる。全国二輪の教習マシンというとほぼこれになるそうだ。乗車前に教官がMT二輪の機構などをひとしきり教えてくれた。センタースタンド、サイドスタンドの取り扱いはV125Gと同じなので問題ない。約200kgの車体を倒してからの引き起こしも思ったより簡単だった。
 
右手:アクセルグリップ、前輪ブレーキレバー、右足:ブレーキペダル
左手:クラッチレバー、左足:チェンジペダル
 
スクーターが両手しか使わないのに対して、MT二輪は四肢すべてを使う。自転車感覚の前輪後輪ブレーキが、右手右足に配置されているのには違和感を感じる。まぁ慣れなんだろう。CB400クラッチが1、N(ニュートラル)、2~6という順で並んでいる。しかし、このNに入る範囲が非常に狭く、通常のペダル操作では1と2の間は直接遷移する。かなりソフトに操作しないとNには入らない。なので1速スタートの後のクラッチ操作では意識することなく2速に入る。減速も同様だ。MT四輪ではクラッチ操作を減らすのとゆっくり発進ができるように2速スタートをしていたりした。同じことがバイクでもできるのだろうか。教習中なのでなかなか試せない。
 
ひと通りの説明を終えて実際に乗車をしてみた。非常に狭い範囲を1速だけでゆっくりと何周も回る。慣れた頃合いで2速と1速のシフトチェンジによる加速減速を行う。スタート時はクラッチ接続に慣れず何回かエンストをさせてしまった。体感的にMT四輪を運転しているものは構造的な理解は早いだろう。出発、加速、減速、停車を何度か行ったところで時間いっぱいとなった。ふたりとも続きの教習なのでバイクは路上に放置して休憩にした。
 
2時限
10分間インターバルをおいて、今度はコース外周を1~3速でぐるぐると回る。また、コースの内側にも入って一時停止や信号機、右左折の教習を行う。教官は先導しないので審査二人組で繰り返し繰り返し行った。3速で40km/hに速やかに加速することも難なくできた。結果、エンストは3回ほど、車体を倒すことなく終わった。終了後すでに捺印された教習原簿を渡された。本来であれば教習終了後に教官が状況を見て捺すものだが、審査は既定の8時間を問題なく乗車して終わればみきわめ終了となるのだろう。すでに普通二輪の免許は持っていて、限定を解除するだけなので粛々とこなすことが重要だ。
 
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こうして1日目は終わった。ここで困ったことが起きた。初MT二輪の体験をしてちっとも楽しくないのだ。バイクと言えばマニュアルだよねとか、初代仮面ライダー世代としてはさっそうとまたがる姿に夢膨らせたものなのになぜ。答えは簡単で、運転に集中できないからだ。バイクを操作したいのか、バイクに乗ってどこかに行きたいのかでは目的が違う。わたしが原付一種から原付二種を取ったのも、50ccまでの足かせを取って自由に動きたかったからだ。MT二輪はその自由さが操作によって阻害されてしまっている。ワンピースのルフィが「この海で一番自由な奴が海賊王だ!!」と言ったことを考えるとこのままではバイク王になれない。
 
ここで実際に検証してみよう。3速で直進している状態から一時停止して左折・カーブを曲がってまた3速で直進するとしよう。四肢の動きのみでそれ以外の動作は省略する。
MT二輪
1.右手:アクセルグリップを戻す
2.右手・右足:ブレーキレバーを握り、ブレーキペダルを踏んで減速したら両方解除
3.左手クラッチレバーを握る
4.左足:チェンジペダルを上から踏んで2速に下げる
5.左手クラッチレバーを離す
6.左手:30m手前でウインカースイッチを左に入れる
7.右手・右足:ブレーキレバーを握り、ブレーキペダルを踏んで減速したら両方解除
8.左手クラッチレバーを握る
9.左足:チェンジペダルを上から踏んで1速に下げる
10.左手クラッチレバーを離す
11.右手・右足:ブレーキレバーを握り、ブレーキペダルを踏んで減速
12.左手:止まる直前でクラッチレバーを握る
13.左足:止まると同時に路上に接地
14.右手・右足:ブレーキレバー、ブレーキペダルの両方解除
15.右手:アクセルグリップを回す
16.左手クラッチレバーを半クラッチにしながら滑らかに左折
17.左足:動き始めたらチェンジペダルに戻す
18.左手:ウインカースイッチを押し込んでランプ解除
19.左手クラッチレバーを離す
20.右手:アクセルグリップを戻す
21.左手クラッチレバーを握る
22.左足:チェンジペダルの下につま先を潜りこませて2速に上げる、つま先は元に戻す
23.左手クラッチレバーを離す
24.右手:アクセルグリップを回して加速する
25.右手:アクセルグリップを戻す
26.左手クラッチレバーを握る
27.左足:チェンジペダルの下につま先を潜りこませて3速に上げる、つま先は元に戻す
28.左手クラッチレバーを離す
29.右手:アクセルグリップを回して加速する
 
書いているだけで気が滅入る。まだ体が覚えていないため、運転中に次のクラッチは下から上にだなとか考えながらやるわけで景色を楽しむ余裕なんてない。ましてや渋滞なんてあろうものなら、エンストも気にしながらの半クラッチ操作の連続で楽しいわけがない。
 
さて、同じことをATでやった場合はどうなるのか。
 
AT二輪
1.右手:アクセルグリップを戻す
2.左手:30m手前でウインカースイッチを左に入れる
3.右手・左手:ブレーキレバーを握る
4.左足:止まると同時に路上に接地
5.右手・左手:ブレーキレバーを解除
6.右手:アクセルグリップを回す
7.左足:動き始めたらステップに戻して滑らかに左折
8.左手:ウインカースイッチを押し込んでランプ解除
9.右手:アクセルグリップを回して加速する
 
どうだろうか、一目瞭然だ。とりあえず今回は限定を解除するがマニュアル車を操舵する楽しみをまだ見いだせていない。卒業検定が終わるころには少しは気持ちが変わっているのであろうか。さて、二日目に向かおう。

3時限
二日目も同じ夕方の時間帯になる。日曜日は夜間がないのでこれが最終教習になる。今日の審査はわたしひとりだった。あとは大型と普通の第一段階が15名ほどいた。まずは全員でなかよく外周を数回慣らし走行する。続いて、教官について課題の説明を受ける。教官はバイクに乗って説明をしていくので生徒は走ってついていかなければいけない。フルフェイスのヘルメットをかぶってプロテクターをつけてなので結構大変だ。坂道発進スラローム一本橋急制動を教わる。スラローム以外は小型のときと同じなので問題ない。
 
説明を受けたら続いてひとりでやってみる。坂道発進マニュアル車なのでうまくクラッチをつなげながらブレーキを外してやらないと後ずさりしてしまう。四輪のマニュアルと同じだ。ここは問題なかった。スラロームは等間隔にまっすぐ置いてあるコーンを車体を左右に振ってすり抜ける。あまりゆっくりだと減点になるので8秒以内に通過しなければいけない。それを超えると1秒につき5点減点になる。本来はアクセルワークで白バイ隊員の練習風景のようにリズミカルにすり抜けたいところだが、パイロンに当たってしまうと失格なのでそのリスクを回避して確実に通過したい。
 
ここが終わると小型でも一番の苦手だった一本橋になる。1速で発進して半クラッチを利用しながらゆっくりと渡る。7秒以上かけて渡らないと1秒につき5点減点されるが落ちることを考えればこれもタイム気にせず通過する作戦もある。わたしの場合はどうしてもゆっくり走ろうとすると落ちてしまうのであまりタイムは気にしないことにした。今のところ成功率は7割ぐらいだ。
課題最後は停止から40km/hまで加速してからの安全な急ブレーキでの停止。3本ある停止線のうち2本目までに止まれればいい。超えてしまうと検定中止となる。ここもとくに問題はなかった。
この課題をひたすら時間内こなして終了となった。
 
4時限
全8時限の折り返しとなる。課題をまた繰り返し行う。教官が課題ごとに立っていて問題があれば指摘を受ける。だんだんと一本橋も落ちなくなってきた。それ以外はほぼ問題ないだろう。
 
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終わると部屋に戻って教官から教習原簿が渡される。もう一回今日のをやってみようかと声をかけられている人もいた。みきわめ不良というやつだろう。各時限の指導員印が捺されないと先に進めない。審査のわたしはそつなくこなして無事4つ集めることができた。次週4つもらっていよいよ卒業検定となる。

 
5時限 6時限
同じ内容の繰り返しなのでまとめて書くことにする。三日目はS字、クランク、8の字の練習。どれも一本橋のような苦手意識はないので自分ではうまくできたつもりだった。しかし、教官はただ減速して課題に進入してブレーキやクラッチでつなぎつなぎクリアしているだけではダメだという。常にアクセルはブン回しながら半クラッチの状態を維持しながらリアブレーキも使って安定した姿勢で抜けなさいという。

実際、二人乗りしながら見本も見せてくれた。実際の道路でこんな操作をすることはないだろう。技術的な運転テクニックを駆使して曲芸的に乗りこなさなければならないのか。自己流なら回れるのに、言われた操作をしようとするとパイロンにぶつけるわ、エンストしてこけるわ、大変なことになった。
 
5時限目が終わった段階で申し送り事項として「半クラッチ、アクセル+リアブレーキもう少し」と書かれてしまった。実際には卒業検定では運転テクニックは見られることがないので既定の通りに回れれば大丈夫だと思う。ただ、車校には車校のルールがあるので8つハンコをもらうまでは従うことにする。明日はいよいよラスト2時限になる。
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