tomoca2の ブログ

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久々のドコモMNP指南、誤算続きの珍道中

高市総務大臣時代に始まったスマホの販売規制はキャッシュバックダメ、端末の安売りダメ、のダメづくし。最近のニュースではついに富士通でさえスマホ撤退を余儀なくされることとなった。残る国内大手はソニー、シャープ、京セラの3社のみだ。世界的にはアップル、サムスン以外は中国の格安SIMフリー端末が幅を利かせ、格安SIMとの組み合わせで、かつての電卓戦争のような生き馬の目を抜く時代になってきた。
 
もっともわたしの場合はこのブログでも書いてきたように端末乞食であり、キャッシュバックマニアであり、お得に運用する節約厨でもある。通信キャリアにとって好まざる客という扱いをいまだ受けたままである。まだ新規で割引を適用した契約はできませんよという特価BL(ブラック)という状態にある。
 
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こうなるとMNPの禁断症状が表れ、誰のでもいいからMNPさせてくれという状態になる。1年前に会社で年配者のMNPを指南した。ちょうどその人の同期がこの8月20日ソフトバンクの2年契約が終わり、喪が明けるということで相談を受けた。この人(仮にT氏としておこう)は2年前にauからドコモへ転出するように勧めたのだが、なぜかキャッシュバックに釣られて悪名高きソフトバンクに行ってしまったという御仁だ。高額キャッシュバックに目がくらみ、それに伴う契約や毎月維持費のことをまったく計算に入れていなかったようだ。聞けば2回線で月14,800円支払っているという。
もっとも、auに機種変更に行って、解約&新規契約&3年分割の高額microSDHCを売りつけられてくるような青年もいるぐらいだから、こと通信会社にいたってはそんなひどいことはしないだろうという性善説を捨てた方がいい。弱肉強食の世界で理論武装をせずに足を踏み入れると、とんでもない落とし穴が待っている。今回の依頼者は2年前の失敗を教訓にわたしの同席を求めてきた。他人のMNPであろうと楽しいものである。
 
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まず、仕事の手始めにMNP当日豪華ランチをごちそうになった。これはひさびさに本気を出さなければならなくなった。T氏に情報を確認しながら、MNP商談メモを作り上げた。わたしは通信会社に契約事項で訪問する際には必ず何らかのメモを作って持参する。これがあるとないとでは進行の段取りがまったく違う。毎度ショップ店員には感謝される書類である。今回は事前接待によりいつもより念入りに作り上げた。

事前準備

T氏からは今月始めに相談を受けていたので、各種公式キャンペーン、割引施策を調べて準備しておいた。MNPはこの入念な事前準備が一番肝心だ。一朝一夕に成しえるものではない。本人の希望は現在使っているiPhone 6の最新モデルiPhone 7だ。
 
MNP予約番号】
当初T氏本人の2回線を転出したいと聞いていた。2回線ともT氏の契約名義だという。
誤算1 はやる気持ちを抑えられず、8月20日MNP予約番号をもらうべくソフトバンクショップに出かけたT氏。20日締めのソフトバンク契約の場合に喪が明けるのはその翌日だ。当然ショップでも今やると契約解除料1台9,500円(税抜)が発生すると諭されたようだ。しかし、MNPの予約番号発行には2種類あり、通常の方法であれば予約番号発行=解約ではない。実際に相手先で転入手続きが行われて初めてソフトバンクでは解約手続きが行われる。このため、予約番号を発行しても有効期間15日以内に転出しなかった場合は何もなかったこととして一切の費用は発生しない。
誤算2 元々8月26日(土)にMNPしましょうと約束していたので、T氏は日を改めてソフトバンクショップへ出かけたようだ。しかし、事前にアドバイスをしておいたが、ショップはこの転出番号の発行を極端に嫌がる。受け付けたショップのペナルティになるのではないかと勘繰りたくなるぐらいの拒否反応だ。T氏の場合も案の定その場で電話番号を教えられて掛けるように言われたようだ。それではわざわざショップに出かけた意味がない。ジニーというシステムにアクセスできるタブレットで処理すれば数分で終わる作業を1時間待たせたりもする。わたしは間違いがあると嫌なので転出番号をプリントした紙をもらってきて欲しかったのだがかなわなかった。
誤算3 これはあとで判明するのだが、2回線ともT氏名義ではなかった。ソフトバンクではT氏、T妻それぞれの名義だったのだ。このためショップにも夫婦で出かけたそうだ。これをドコモに移すにあたってT氏にまとめようという算段をしていた。もちろん、同居の夫婦なのでT妻名義を転入時にT氏に名義変更することはできる。しかし、T妻本人が来ないとそれもやっかいなのだ。念のためMNP当日はT妻の運転免許証を持参するように依頼した。本来は夫婦でショップに行っていたのであればソフトバンク側でT妻名義をT氏に名義変更をしてから予約番号を払い出せばよかったのである。
 
【クーポン券】イメージ 2
イメージ 3一部のユーザにDMで送りつけているクーポンがある。新規・MNPで5,400円の値引きになる。8月31日までなので、ヤフオクやメルカリでも100円を切るダンピングになっている。ぜひ入手しておこう。32GBは使えないので必然的に128GB以上となる。
 
【下取りプログラム】
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下取り端末としてはiPhone 6が一番効率いい。自分で持っている端末を下取りに出してもいいが、できれば格安で中古を入手しておくといい。今回用意したのはこの2台、ひとつはご覧のように大きなキズがあるが、画面割れナシ、水没反応ナシだと満額22,000円相当の値引き原資になる。T氏はソフトバンクiPhone 6をそのまま下取りに出すとのことだが、データ移行の時間もあるし今回はわたしが用意した2台を下取りとして出すことにした。データ移行が終わった段階で今まで使っていた端末を回収させていただく。わたしはキズ入りiPhoneの程度が少しよくなって返ってくるメリットがある。
 
【案件情報】
いよいよ、MNP数日前になったらツイッターで案件情報を確認しておく。「ドコモ iPhone7 一括」なんて感じで検索すればいい。曇天・雨天が続いたこの夏に熱く気を吐く関東エリアのドコモショップ。契約変更というFOMA→Xiの回線種別変更や、MNPで思わぬ割引が飛び出している。町のケータイショップよりドコモショップのつぶやきを中心にチェックしたい。
 
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そんな中で上がってきたのがこのツイート。場所はT氏の帰り道にあってちょうどいい。同じ内容が昼にも書き込まれていたので電話をするがつながらない。何度かけてもダメなので会社から帰るときにもう一度電話をしたら奇跡的につながった。I氏という人が対応してくれて、ツイッターを見たことを伝えるとiPhone 7 128GBを一括3万円(税抜)にしますというものだった。恐る恐る条件は?と尋ねるとそういうのは何もありません。お客さんの好きなプランで契約してもらって結構ですと言う。
 
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通常はこんな感じで、同じ3万でもシェア15(12,500円)に入ってくれとか、ここには書いてないがさらに月またぎとか、dカード(クレジットカード)を作ってくれとか後出し条件を出される。それらをきっぱり断るためにも聞き取った条件は商談メモとして持参するのがいい。
I氏にはまず週末土曜日にこの対応をしてくれないかお願いをすると今日だけだと、しかし今日の今日ではせっかく揃えた事前準備物がない。ソフトバンクから2台乗り換えをするからと切り出すと、では特例で翌日25日までなら対応しましょうと言ってくれた。プレミアムフライデーなので定時に会社を上がって向かえば数時間で終わるだろうと考えた。すでに先に帰っていたT氏に連絡を取り、25日金曜日に決行することを伝えた。再度ツイッターを確認すると完売ツイートが掲示されていた。もう後戻りはできない。

MNP当日

当日は結局T氏と示し合わせて定時より1時間早帰りすることにした。早く行って早く終われば早く勝利の美酒にありつけるという予定だった。
 
来店カードを受け取って待合スペースに着席した。順番待ちは少ない。こりゃ1時間ぐらいで終わっちゃうかと皮算用した。座るとすぐに接客員がアンケートボードを持って今日の依頼内容を書いてくれというのでわたしが代書した。商談メモは作ってきても郷に入っては郷に従う。自宅のネット環境についてのアンケートが並ぶ。結局はドコモ光を売りたいがためのアンケートなのだ。T氏宅はいまだにYahoo!BBADSLで3,500円、NTT加入電話で1,700円の計5,200円が通信固定費だと聞いていたから、この際ドコモ光に変えるのもありだ。ドコモ光は公式キャンペーンの20,000dポイント付与とショップ独自の4,000円現金キャッシュバックとバッファローWHR-1166DHP4という5,000円程度で売られているWi-Fiルーターをくれるという。工事費諸費用が今は無料にならないのでちょうどその分ぐらいが返ってくる感じだ。
アンケートと同時に今回の乗り換え商談メモを手渡した。
 
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アンケートを提出して、マッサージチェアで日ごろの疲れを癒すT氏、この時は閉店過ぎの21時半までいることになろうとは想像しなかっただろう。
 
誤算4 カウンターの向こうで審議中であったが、T妻からT氏へMNPと同時に名義変更が案の定引っかかった。T妻の運転免許証原本はあるから来店しているていでショップが処理してくれればいいことだ。しかし、最近は厳しいのでT妻本人の来店か委任状が必要だと譲らない。どうも事情があってT妻は自宅近くにいるが来店できないようだった。その場でT氏がT妻に電話をして委任状を書くことには同意しているので委任状原紙をもらって急ぎT妻の元に走り記載してもらって戻ってくるということにして二人でショップを出た。
委任状はドコモのサイトからダウンロードできるので前日に知った段階でわたしがアドバイスをしておくべきだった。プロとして失格だ(なんの)。
 
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これがドコモ委任状の記入例になる。自署すれば捺印は不要だ。コンビニでボールペンを買って近くのコーヒーショップに駆け込んだ。
 
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偶然近くまでT妻がきて、わたしに憑依した感じがした。はっと気が付くとそこには必要事項が記載された委任状があった。ショップ店員には近所なので20~30分ぐらいですぐ戻ってくると宣告してある。
 
19:00 ドコモショップ再入店
やや息を切らした感じを演出しながらドコモショップに戻り着席した。出戻りにはやさしい。すぐにカウンターに通してくれた。最初に入店して1時間半が経っていた。
 
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着席した8番カウンターに、接客するショップ店員がおもむろに終了時間をセットした。21時はショップ閉店の時間だ。わたしもさすがにそこまでかかるとは思わなかった。そのための商談メモであり、開通試験以外ではiPhoneを操作する必要はない。かなりオーバーな店員だと思った。何しろ契約を円滑に進めるためのコンシェルジュが同席しているのだ。
 
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今回取り置きの2台がカウンターに用意された。iPhone 7 128GBのゴールドとローズゴールドだ。店員に渡されたパンフレットに目を通すT氏、本当に読んでいるのだろうか
気が付いたのは最近ドコモが総務省に注意を受けた8日以内クーリングオフの説明。つまり、契約時に聞いた内容と違っていたり、自宅での電波状況が悪くて使えない場合は無条件で解約できるという制度だ。前からあったのだがドコモはこの周知を客にしていなかったということで現在は改善されていた。
カウンターの中でわたしの商談メモを見ながら隣の店員と何やらひそひそやっている。わたしが何か問題があったら言ってくださいと言うと、iPhone 7の本体価格が違っているのですと。わたしが前日I氏に聞いたのは全部込みで本体は一括30,000円(税別)ということだったのでそこからの計算であればその商談メモの本体価格は無視してくださいと申告した。
 
19:45 1台めのiPhone契約完了
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T氏本人の名義だが商談メモを見ながら進めても30分程度はかかった。慣れない手付きでタブレットに何回か署名をしてようやくSIMに魂が注入された。
 
20:30 2台めのiPhone契約完了 
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続いて2台目に取り掛かり、名義変更がある分少し時間がかかったが2台の開通処理が終わった。この時点でソフトバンクは解約になっているのでT氏とT妻のソフトバンクiPhoneは不通となった。iPhone 8のキャリア向け説明会が始まっているのでその登場も近いのだろう。しかし、iPhone 7が発売されたのが昨年9月16日なのでまだ1年経っていない。これがタダで2台手に入るのだから、これまでの苦労が吹き飛ぶ瞬間である。
 
誤算5 今回T氏が60歳になっているということで、シニアはじめてスマホ割を適用することで月額1,520円の割引を2年間してもらうつもりだった。本来はガラケー利用者向けの施策だが、MNPの場合は他社で何の端末を使っていたかというのはわからないため店員の目視作業が入る。これについては事前に打診をしてガラケーを持ち込まなくてもいいですよと確約を取っておいた。先ほどの委任状とは違ってこの部分では融通が利いた。ガラケー前提の施策を受けながら、下取りにはiPhoneを出すという矛盾がここでは許される。
2台めは、T妻が60歳に到達していないためT氏名義で契約し、T氏の利用者登録をすれば2台とも適用できると算段していた。利用者登録自体は何台でもできるからだ。それにキャンペーンの注意事項にも学割の時にあるような「対象となる利用者1人につき1回線」という制限事項が書いていなかった。しかし、ショップ店員が何回アラジンを操作しても2回線目にシニアはじめてスマホ割を適用させようとすると最初の回線に設定された割引が消されるという警告が出るという。その場で同居の母親を利用者にしようかと思ったが当然身分証明書がない。翌日の利用者変更で適用できないか聞いたが、契約と同時じゃないと難しいだろうという判断だった。あとで提供条件書を確認するとそこには●同一利用者において、「シニアはじめてスマホ割」は1回線のみ適用可能です。と記載されていた。キャンペーンページで省略されているだけだった。
 
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本体価格が30,000円から始まって各種値引きが適用されて一括ゼロ円になっている領収書をもらった。しかし、まだ終わっていない。これからドコモ光の申し込みがある。
 
すでにショップは閉店しているためカーテンシャッターを開けてもらっての退店であった。最初に訪店して4時間近くここにいたことになる。それでも最終客ではなくカウンターには2組残っていた。ドコモショップ店員も大変だ。
 
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帰り際に店頭価格を記録しておいた。店員が、ドコモショップは代理店なので本体価格はオンラインショップとは違いますと言った内容に納得ができなかったからだ。わたしが事前に作っておいた商談メモはこの通り。
※いずれも税抜き
iPhone 7 128GB 本体価格87,000円
ショップMNP値引き ▲57,000円
iPhone 6下取りプログラム ▲20,370円
家族まとめて割 ▲4,800円
クーポン券 ▲5,000円
合計 ▲170円
 
店頭に記載の102,600円は本体87,000円+ショップ頭金8,000円+消費税7,600円の合計に過ぎない。わたしが前日I氏に頭金のことを確認したが、そのときもうちはそういうのもなく一括で30,000円ですという言い方をした。ショップの手取りになる頭金制度が始まって5,000円~8,000円ぐらいで自由に設定をしている。しかし、このようになぜか頭金を隠したがる。深夜まで働くのであるからこのような頭金は取っていいし、ショップの定休日も設定されるようになった。
 

反省会

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21時半になっていたためロイヤルホストで予定していた祝杯をやめ、ドコモショップの目の前にあるラーメン店に飛び込んだ。もうT氏は疲労困憊である。百戦錬磨のわたしでも閉店後までかかったのは初めてだからさもありなん。
 
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ニンニクたっぷりのラーメンをいただいて本日2回目のゴチであった。
 
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うれしそうにiPhone 7を眺めるT氏を見ているとケータイコンシェルジュ冥利に尽きる瞬間だ。最後にT氏の通信環境維持費がどう改善されるかをお知らせして本編を終了させよう。

月額維持費

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毎月約1万、2年間で24万円の節約予定となった。キャッシュバックこそさみしい時代になったが、これ以外に20万円相当の端末をもらっているのを忘れてはいけない。2年後はiPhone 7SIMフリー化して格安SIMMNPというのもありだ。
 

iPhone 7購入サポート入り

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ショップ店員が最後に、お客さんは非常にいいタイミングで契約されたとしきりに言っていた理由がわかった。ツイッター情報によると、9月からiPhone 7MNP購入も端末購入サポート入りする。この端末購入サポートというのは約1年端末を使う約束で端末代金を最初から値引くというものだ。その代わり月々サポートはつかない。つまり、端末を安くしてもらっても月々の維持費が安くならない。T氏の場合は8月21日~31日という11日間しかなかったチャンスを見事モノにしたわけだ。