沖縄で遠方の離島に行くときは初日に行かなければならない。船でしか行けないところは欠航が多いからだ。多良間島に行くには多良間海運のフェリーか琉球エアーコミューター(RAC)しかない。飛行機はわずか25分のフライトながら片道5,600円。一方フェリーは往復で4,690円とリーズナブルな上、2時間5分の船旅が楽しめる。多良間島は石垣島から行った方が半分の距離で済むのに、宮古列島に所属する関係かルートは宮古島オンリーになる。
区間 平良港 ⇔ 多良間港 (距離62km)
平良港発 09:00 ⇒ 多良間港着 11:05 (約 2時間5分)
多良間港発 14:00 ⇒ 平良港着 16:05 (約 2時間5分)
往復4時間かけて3時間の現地滞在になる。あとは無事フェリーが出るかどうか、9月18日~22日まで連続して欠航している。心掛けのいいわたしは23日無事乗ることができた。
6日ぶりの船便なので大量の生活物資が運ばれている。これだけ大きいフェリーなら揺れも少ないだろう。
沖縄では海上保安庁の巡視船はよく見かける。尖閣諸島が宮古島・石垣島と中国、台湾の3者中間ぐらいに位置するからややこしい。
伊良部大橋の下を通っていく。2年前にはこの橋から男性が落下して死亡事故が起きている。
船内は2階建てになっており下がフラットな寝転がれるエリア、上がイスやテーブルが用意されている。どちらも靴を抜いて上がらなければならない。
こちらが2階で誰もいない。この日の一般客はわたし以外に女性3名だったと思う。この床で土足厳禁なのだ。スリッパは用意されていない。
室内はエアコンも効いていて快適なのだが、長い周期の波揺れで若干船酔いしてしまい後方にある船外にて潮風に当たることにした。一見穏やかに見える浪間もさすがに2時間ゆらゆらされるとたまらない。時折強い上下運動を起こす波もある。
一応、安心のエチケットエリアも用意されている。大きめの居酒屋トイレでよく見るやつだ。幸い利用することはなかった。
無事、多良間島に到着した。島には2つの港があって、時期によって多良間港と前泊港を利用している。この時期は中心部から遠い多良間港だった。島に着いたらレンタサイクルを借りて一周するつもりが何もない。写真奥に見えるマイクロバスがわかるだろうか。これ、近くで見るとかなりぼろい。てっきり、船舶関係者用のバスだと思っていたらこれが唯一の中心部に向かうバスだった。船内でもアナウンスが何もないので見逃してしまった。
レンタサイクルの会社に電話をすると送迎はしていないので自力で来てくれという。Googleマップで調べると1時間かかるではないか。滞在3時間しかないのにまさかこんなことになるとはと、放牧された牛を見ながら一本道を歩いていると通りかかった島人が事情を察したのか軽トラックに乗せてくれた。
1時間250円の自転車を借りて、ついでに送りをお願いしたのだがやっていないという。となると、戻り1時間を覚悟して、島は半周することであきらめた。
この日は台風17号の影響がまだ残っているのか厚い雲に覆われている。
島の西側に多良間空港がある。かりゆすというのは沖縄の方言で嘉例吉(かりゆし)というめでたいという意味の言葉から来ている。船の名称にもよく登場する。
敷地内にヤギが数頭つながれていた。
村立の中学校で運動会が行われていた。
沖縄ならどこに行っても見かけるサトウキビ畑、収穫しているところは初めて見た。サトウキビ1本から約110gの砂糖が精製される。
結局帰りはレンタサイクルを返してから4kmの道のりを1時間かけて歩いた。後で調べると多良間村有償バスは片道400円で普天間港と市街地をつないでいた。しかし、バス停はないとある。都会のバスに慣れ切った軟弱モノにはなかなか敷居の高い乗り物である。