11月13日に各報道で「チバニアン」という名称が日本中を駆け巡った。オバタリアンのようなこの名称は、新しい地質年代として千葉県市原市の地層を基準地とするチバニアン(ラテン語で千葉時代を意味する)が事実上決定したというもの。同じくイタリアは「イオニアン」を申請していたが、日本が勝つ見込みとなった。
地質年代と言えば、わたしが高校生時代はチャート式だったかなんかの暗記方法で「カオシデ石二三ジュ白」(かおしでせきにさんじゅはく)と覚えたものだ。
最新の国際年代層序表を参照していただくとして、今回は白亜紀よりもっと若い年代のごく若い階層で新生代第四紀更新世中期とされていた中期の部分がチバニアンに置き換わる。地磁気のN極とS極が反転した地層が視覚できるところからこの場所を由来とするチバの名称を冠につける栄誉が与えられたわけだ。森田健作県知事もさぞかし頬を濡らす涙を見せていることだろう。
今月中旬に発表されてからすでに一般客が大挙押し寄せ現場は大変な騒ぎになっているということである。おそらく地学にはまったく興味のない人も紅葉を兼ねて訪れているのではないだろうか。
場所は房総半島のほぼ真ん中に位置する。原付で約2時間かけて11月26日(日)に行ってきた。交通機関で行く人はローカル線小湊(こみなと)鐡道月崎駅から歩いて30分かかる。小湊鐡道はSLチックな先頭車によるトロッコ列車を走らせているが、今回の発表を受けて11/18~12/10までの土日祝は一日3往復のトロッコ列車を1往復減らしてより多く人を運べる普通車両に切り替える対応をしている。また、自社HP上ではもしっかりと便乗したサイトを掲載している。まさにチバニアン様様だ。
養老川のほとりに地磁気が反転した場所はある。ここで東海地方の人は違和感を覚えるのではないだろうか。養老で反転?というと一番に思いつくのが岐阜県養老町にある「養老天命反転地」だ。また、養老の滝は居酒屋ではなく、地元では親孝行の伝説として道徳の時間に語り継がれている。貧しい若者が父のためにひょうたんに滝の水を汲んで持ち帰ると酒になっていてそれを飲むとめしいた父親の目が見えるようになったという。千葉県と岐阜県が不思議な縁でつながった。
県道81号を走っていくと右手にこの看板が見える。そのまま入って行こう。
自己責任をうながす立て看板がある。長靴が必要とあるが、多少ぬかるんだところを歩くが、水の中に入るわけではないので普通の運動靴があればいいだろう。
言いつけを守らないわたしはしっかり汚れたので川の水で憑き物を落として帰ることにしよう。
それではせっかくなので房総半島ど真ん中!と称する養老渓谷の紅葉を一部楽しんで行くことにしよう。
駅の外では紅葉目当ての観光客向けに販売の準備が始まっていた。みたらしに心惹かれたが我慢した。
観音橋
養老渓谷駅を抜けて2kmほど清燈養老ラインを進むと観音橋という観光スポットが登場する。なんと封筒にナンバープレートの番号を記載してお金を入れて投函しろという良心に激しく訴える駐車場だった。わたしは原付なので空き地に停めさせていただいた。
なかなかリアルな鉄道写真が撮れた。
流しのギターを聴きながらの100円オレンジジュースをいただいた。生演奏喫茶だ。
今日は千葉三昧の一日であった。ところで千葉とはどういう意味なのだろう。万葉と言えば万葉集、百葉と言えば百葉箱、千葉と言えば千葉県。その語源は諸説あってはっきりとしない。しかし、チバニアンが正式決定する来年にまた千葉が世界的な注目を集めることは間違いないだろう。