
ダイソー100Wケーブルは過少申告!?
少し前のケータイWatch記事にダイソーUSBケーブルの話題が掲載された。
記事の内容としては100Wケーブルなのに240W EPRというeMarkerが搭載されているというネタで、あやしいUSBケーブルに慣れたものからしたら、めずらしくもない現象で読み飛ばしていた。どうせ、ダイソーが安かろうで大して中身もチェックせずに仕入れて販売しているのだろうとタカをくくっていた。実際、わたしの手元には怪しげなeMarkerケーブルなんてゴロゴロしているのだ。いちいち騒いでいては身が持たない。
ダイソーが100Wではなく240Wケーブルと認めた!
ところがそうも言っていられない事態が起きた。X投稿によるとこの件をダイソーに問い合わせた人がいた。回答はパッケージの100Wが間違いで中身は240Wが正解だ、とした。これには驚いた。てっきりなんちゃってeMarkerチップを使っていてすみません。330円なんで許して!ってお詫びするかと思いきや、自らハードルを上げてきたのだ。
Xiaomi 120W→DAISO 240W検証へ
こうなるとXiaomi 120Wを終えた今、DAISO 240Wの検証に取り組まねばなるまい。本当にヒツジの皮を被ったオオカミ、いや神ケーブルなのか。自宅から5分の距離にあるダイソーに走った。

あるある、100Wの仮面をかぶった240Wケーブルがそこにあった。パッケージは日本語、英語、ポルトガル語で書かれている。中国製で製造メーカーは書かれていない。ケーブル素材はTPE(熱可塑性エラストマー)で、常温のときはゴムの性質、高温のときはプラスチックの性質を持つ。手触りは悪くない。
ケーブル抵抗は悪くない



ケーブル抵抗は毎度機種ごとに異なっているので、UT70の160mΩを採用することにする。それほど高抵抗ケーブルではない。
ケーブル仕様はUSB 3.2 Gen 1x1

A列にD+/D-がくるように挿し込むとRX1/TX1のペアが確認できる。SBU1/2はない。CC2がやや薄く点灯しているのでeMarkerの存在が予想される。本ケーブルはUSB 3.2 Gen 1x1(旧称USB 3.1 Gen 1およびUSB 3.0)ということになる。
eMarkerはノーベンダー240W

では問題のeMarkerを読んでみよう。確かに240W EPRと設定されている。通信速度も5Gbpsとしているのに10Gbpsに対応していると返す。そもそもベンダーIDがヌルである時点でこのケーブルはUSB-IF認証製品ではないことを指している。まともなところで製造された規格製品ではない。単に60W超に対応する規約を満たすためだけになんちゃってeMarkerを搭載した非公式ケーブルである。本来であればパッケージに記載のPD(Power Delivery)について書くべきではない。ただ、そのような製品はちまたに溢れているし、目くじらを立てることでもない。
ダイソーはパッケージが間違いで中身は240Wだと
しかし、Xのサイカワさんにダイソー客相が答えた内容は以下の通りだった。


高電力負荷実験が・・・できない
となると240Wをがんがん流していいわけだ。

情けないことに240Wを流す環境がなかった。充電器は140Wだし、電子負荷も36Vを超えるなと警告されたものしかない。140W(28V/5A)で1時間流してみたが37℃が本ケーブルの上限でまったく問題なかった。100Wに対して140Wではマージンの範囲だろうし、48/5A=240W試験などやりようがない。マックのポテト加湿器同梱ケーブルが4V/3.5Aで煙を吹き出したような再現実験はできなかった。
ケーブル内部はしっかり作られていた
このためやむなくケーブル内部の検証に入った。


TPEの被覆を剥ぐとそれなりにしっかりしたケーブル構成になっていた。ケーブル全体の他に、TX1/RX1もそれぞれノイズ対策でシールドされていた。

コネクタ内とケーブル結線は上記の通りだった。eMarkerチップは省略してある。

VBUS/GNDは5A対応だけあってしっかりとしている。1mmのケーブル外径で導体部分は0.5mmほどだったので、規格としてはAWG24になる。ただ、撚り線が非常に細くこれで48V/5Aいけるのかと心配になる。テスト環境がない以上なんともできない。

久しぶりにミリオームメーターを取り出してきてケーブル抵抗を測っておく。52mΩ/1mなので、計算上は往復で約100mΩ、コネクタが2個で60~80mΩとするとほぼUSBテスターの計測結果と一致する。

コネクタを分解してeMarkerチップを見てやろうと思ったが一筋縄ではいかなかった。かなり頑丈に樹脂接合されており、きれいにパッカーンと開いたポテト加湿器粗悪ケーブルとは違った。これなら1万回抜き挿しで問題はなさそうだ。
変わったケーブルコレクション
中途半端に終わってしまったので最後に何本かあるおもしろケーブルを紹介して終わることにしよう。



後半に続く