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アリエクで買った格安関数電卓を検証

AliExpressのビッグフライデーセールに乗って格安関数電卓を買ってみた。レビューを見るともちろんニセモノであることはわかっていたが、一体どんなものか見てみたかった。

11月26日発注で12月13日到着と、最近のアリエク配送では時間がかかった。国内では販売されていないが、海外では8,000円~10,000円で販売されているモデルだ。

販売サイトにはCASIO fx-991ES PLUS 2nd editionの写真が使われている。しかし、実際届いたものは似て非でもないものだった。パッと見た目はほぼ同じ。微妙にメーカーロゴやカシオ関数電卓の型番fxがCSに変えられているぐらいだろうか。外装の樹脂成型は若干お粗末、キーのタッチ感覚は軽くカシャカシャとする。いわゆるサイレントではない。本家と同様2キーストロークにはなっているので高速入力による取りこぼしはなさそうだ。

 

このモデルは2019年欧州で販売開始されたもので、模倣品対策用の型番をそのままパクられているわけだ。模倣品識別のパッケージQRコード&ホログラムシールは当然なく、本体に仕掛けられたMODE0による製品IDとQRコード表示もない。

取扱説明書にCASIOの文字は一切ないが、なぜか住所だけは初台にあるカシオ本社が記載されていた。説明書の印刷品位はコピーしたような粗悪なもので、紙質も悪かった。

届いてまずしたことは分解である。ソーラーと電池による2ウェイ方式と見せかけて中を見ると本来あるはずの電池ボックスは空、代わりとして基板上にCR2025が取り付けられている。さらに驚くのはソーラーパネルがまったくのダミーで配線すらされていなかった。基板の製造は2020年5月のようだ。樹脂の頭をつぶして固着されているので取り外しはできなかった。中央にあるリセットは筐体裏の部分が押せるようにはなっておらず、使用することはできない。

本家関数電卓にあるSHIFT+7+ONによる診断モードはあるのだろうか。確認するとあった。

内部開発コードも表示された。

 

続いて本家と分家?の計算勝負をしてみた。手持ちにはfx-373ESしかないが、ベクトル計算ができないなど違いがあるが、ほぼ中身は同じだ。

階乗計算

69!

69!が最大なので確認すると分家CSIROが一瞬で表示される。=押下とほぼ同時で本当に計算しているのか。実は内部に69までの階乗結果を定数として持っているのではないかと疑いたくなるレベルだ。

演算精度

tan(\dfrac{355}{255}rad)

sin(1\times10^8rad)

e-Gadgetというサイトにある内部演算精度を比較する三角関数が紹介されているので同じものを行ってみた。結果は分家の勝利だった。単なる工場横流しのデッドコピー品かと思ったら中身は違うようである。しかも、悪貨が良貨を駆逐している。

演算速度

\int_{-2}^{2}\left(x^{3}cos\frac{x}{2}+\frac{1}{2}\right)\sqrt{4-x^{2}}dx

時間がかかる計算として積分計算が紹介されていたのでこれも比較してみた。こちらはなんと3倍以上の差がついた。ただ、この計算の解はπであることがわかっているので時間はかかるが本家の方が正確だった。

参考サイト