帯に短しタスキに長し
PDが48V⎓5Aの240Wまでサポートしたことで、将来性を考えて300Wまで耐えられる電子負荷を用意したのが2年前だった。すでに対応の充電器はいくつか出ているものの普及しているとまでは言えない。かなりオーバースペックで準備してしまった感は否めない。
そして前から気になっていたのがこの電子負荷の定電流(CC)モードでのふらつきだった。1時間とかの時間軸であれば描画されたグラフも気にならないが、短い時間だと電流が周期的に波打つのが目立つ。これはATORCH DL24MPの仕様で、2A未満は1mA内だがそれを超えると途端に10mAの精度になる。実際にはもっとノコギリの刃のようになる。
他に所有しているのが35Wモノなので、一番よく使う60~140Wをサポートする新たな電子負荷を厳選した。
新電子負荷の調達

ALIENTEK EL15は150Wながらその精度は0.1mAという。ATORCHの10倍を誇る。USBテスターについても今のところはこれぐらいの差ではないだろうか。しかし、価格が1万円程度とやや高い。電気を浪費させるだけの装置なので、主役以外にあまりお金はかけたくない。

いつものアリエクサーフィンで見つけたのがDL24MPと同程度の5千円以下で手に入るMDL150だった。この製品画像を見て何か違和感がないだろうか。そう、メニューをこんな誤記するだろうか。そして堂々と発売している。商品紹介ページで直す気もない。このおおらかさが大陸系なんだろう。
ひょっとして、ターミナルとしてDL24MPに付属の4線式オプションが使えないかと期待する。トリガーオプションも持っているので有効活用したい。
しかし、さすが無名の電子負荷装置だけあって精度について一切記述がない。これは人柱になるしかないのか。

MDL150は筐体に収まっていないDTL150というものもある。ただ、アリエク価格はほぼ変わりがないのであえて基板丸見えを選ぶ必要はないだろう。MEUNも楽しめない。
定電流の精度
電子負荷を使うのはモバイルバッテリーと充電器を買ったときが多い。定格最大で電力を引いたときの挙動を見たいからだ。100W充電器であれば20V⎓5Aで1時間は落ちずに供給ができるか。そして発熱はどの程度か。
モバイルバッテリーもほぼ同じ負荷テストを行う。ひどい落ち方や触れないほどの高温になるものはそのようにレビューする。
暮らしの手帖的な、企業に忖度しない商品テストができればいいと思っている。メーカーから提供を受けたレビューほどつまらないものはない。遠慮なく分解して、遠慮なく負荷をかけてテストしたい。
動作確認

およそ1週間で到着した。左から35W、300W、今回の150Wになる。初めて筐体入りを購入した。MDL150はDC電源プラグが12V 5.5×2.5mmのものなのでトリガーアダプタも合わせて約4,500円だった。今後はすべてType-Cに統一していきたい。


裏面はしっかりしたゴム足があるものの、グラつく。個体差だろうからハズレを引いたことになる。


テストは付属のACアダプターで行った。


残念ながらDL24MPのターミナル7.62mmとピッチが異なっていて5.08mmなので流用はできなかった。4端子接続なので、このようにU字クリップをVとIのそれぞれプラスマイナスに挿し込む。


メニューは中国語、英語が切り替えられる。項目の移動はMEUNボタン、項目内の変更は回転ダイヤルになる。校正もできるようになっている。

まずは試運転を行う。PDトリガーで電圧を5V~28Vまで変動、負荷は5A固定とした。水平部分に変なパルスは出ていない。どうやら定電流の精度は合格のようだ。
実機内部

それでは動作確認ができたところで中身を拝見していこう。筐体は左右のネジで止まっている。ファンはケース側に付いている。


基板の半分を占める大型の冷却フィンが搭載されている。この間を裏側からのファンで空冷している。

電子負荷の心臓部はこのようになっている。2つのMOSFETで150Wを受けることになる。


表示部分をバラしてボタンが直せない理由がわかった。パネルの一部になっていてボタン埋込ではなかった。もし直すならこのパネルを全部捨てて作り直すか、みっともないシールを上から貼る対応になる。そのどちらも選択をしなかった。
MDL150 vs DL24MP


最後に2台並べて負荷テストの冒頭10秒を見て終わることにしよう。どちらがキレイな電流を引けているかは比較するまでもないだろう。今後のテストはMDL150を活用することになる。

このようにPD充電器からのトリガーで12V⎓1Aを供給すると専用のACアダプタが必要なくなる。また、使用しない温度計は前から撤去して必要なら後ろから引っ張り出せるように加工した。