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2,000円USBテスター RYKEN RK-C1をレビュー

TEKKEN的強そうなUSBテスター

USBテスターとしては4月に買ったKOWSI KWS-X1以来になる。今回はRYKENという初めて聞くブランドで、RK-C1本体はタオバオ価格で2,100円だった。アリエクでは5割増しぐらいの値段で売られている。KWS-X1がコイン割で500円以下になったのに比べるとまだ高い感じはする。

ただ、このローエンドタイプのUSBテスターもなかなかあなどれないものがあるし、気軽に購入できる価格なので赤色を調達してみた。今回せっかくなのでWITRNでも購入した4端子法のケルビン接続測定器も合わせて買った。

購入品一式

100均で収納ケースを買ってきた。USBテスターは収納されているものの、それ以外は素の状態だからだ。ぴったり収まるケースがあった。

背面を見ると28V⎓5Aなので、PD 3.1 140Wまでの計測と思った方がいい。QRコードはWeChatのもので中国版LINEでしかサポートをしていないため、なかなか敷居が高い。

付属してきたUSB変換アダプタはType-CとType-Aをそれぞれ変換するものでUSB 3.2仕様にはなっているものの、同型をいくつも持っているため不要だったか。

ケルビン接続測定器はWITRN製と比較すると小型になっている。ただし、RYKENはmicroUSBの端子をサポートしていない。

ケーブル抵抗測定

話題のダイソー過熱防止機能ケーブルの抵抗値を測ってみよう。まず届いたばかりのRYKEN製では202mΩと出た。標準的なケーブルだ。

形状違えど、方式は同じなのでWITRNでもほぼ同じ値となった。

念のため100mΩのサンプリング抵抗で校正を確かめておき、このケーブルの正確な値は231mΩだった。ケルビンはやや低く出ていることになる。

前回酷評したTreedixはやはりかけ離れた数値を出す。なんとこの製品は発売から半年も経たずFWのアップデートができるバージョンに更新されていた。SBU2をSBUSと誤記していたエラッタもいつの間にか修正されている。初期版を買った人はFWの更新もできず間違ったままの表記で使えということだ。トンデモないメーカーだった。そりゃ測定値も信頼できないはずだ。

WITRN U3は外付けオプションなしでケーブル抵抗値を算出する唯一のUSBテスターだが、測定値は残念だった。

UCC3の発売が遅れているUCC2は少し高めに出ているが許容範囲だろう。ただ、これも得手不得手のレンジがあるのは前回検証した通りだ。

中国語仕様オンリー

RYKENというメーカーはグローバルということは意識せず、中国語オンリーで勝負しているようだ。メニューから英語に切り替えるような日和った仕様は一切ない。最初から最後まで中国語で使えということのようだ。
日本は漢字圏なのになぜ中国語が読めないのだろう。そりゃいくつかの漢字はわかって意味も通じる。しかし、好きに了解なのだろうか、これは意味がわからない。

幸いユーザーが英語化したFWを配布してくれているのでそれを利用させてもらうことにする。加えて取扱説明書は和訳させてもらった。RKC1.zipに入れておくので参照されたい。これでこのように英語化されて、中学卒業ぐらいで意味は理解できる。

FW書換方法

USBテスターでは非常におもしろい方式を採用している。書換用のPCアプリを必要としないのは初めての体験だ。

まず、USBテスターをPCに挿して、4つあるボタンの外側2つ[BACK]と⊖を同時押しする。

これでPCから二つのドライブレターが割り当てられる。RKC1APというドライブにFWであるbinファイルをコピーする。アップデート方法はこれだけだ。コピーが完了すると自動的に更新されて再起動がかかる。同じドライブ内にあるヌルファイルReady.TXTがSuccess.TXTになっていれば更新完了だ。

また、RKC1というドライブは「logo」「main」という二つのフォルダがあり、「logo」は起動時のRYKENロゴが書き換えられるようになっている。「main」は各タイトルなどのスキンファイルで、FWに納められていない一部がここに存在する。ここもオリジナルは中国語なので英語表記バージョンのスキンに差し替える。

ホーム画面

USBテスターとしてもっとも使う画面だろう。4方向の自動回転をサポートしている。VAW表記以外に充電プロトコルの予想が表示される。縦方向にするとKM003Cのような色遣いの画面になる。

画面遷移

メニューはそれほど多くない。USBテスターとして最低限必要な機能が備わっている。

検出とトリガー

充電規格を検出するための画面で、かなり時間がかかる。eMarkerの偽装がないので、60W超になる場合は直挿しではなく、eMarker入りのケーブルで充電器に接続する必要がある。検出画面からそのままトリガーに移行できるのは便利だ。

eMarker表示

通電経路でeMarkerは検出できない。USBテスターオスに電源を供給しながら、レセプタクルにケーブルを挿してやると自動で情報表示する。

中身を確認

このブログではUSBテスターレビューとともに内部を確認することになっている。今回も強力なのにキレイに剥がせる3Mのコマンドフックが役立った。開けられるのはボタンのある長辺だけになる。反対側はしっかりと接着剤止めされていて攻略不能だ。

逆側の接着剤はそのままにしておく。

KWS-X1も感心したものだが、この2000円テスターも価格に見合わずしっかりと補強がされている。レセプタクルは透明なエポキシ樹脂、プラグ側もしっかりと固着されている。基板裏側を見たかったが、これだけしっかりと接着されていてはやむを得ない。分解はここまでとした。

片側の接着剤が残った状態にしておくと、次開けたいときに便利だ。今回はこの開腹後に、いつものハイドロゲルフィルムをカットして貼り付けた。

総評

横型の小型USBテスターが増えているように思う。PCツールは一切なく、スタンドアロンで使うタイプとしては頑丈な作りになっていて、手を出しやすい価格になっている。必要最小限の機能を持ったUSBテスターとして、中国語オンリーというハードルはあるもののそれなりに使えるテスターだった。